こんにちは。キートス統括園⻑の日向美奈子(ひゅうがみなこ)です。
日中は暖かい時間が増え、保育園の子ども達にとって過ごしやすい季節となりました。
実は私達キートスは2024年度3月まで11園で運営していましたが、2025年度4月は10園のスタートとなりました。
園数が減ったということは「閉園」した園があるのかな?とお思いの方がほとんどだと思いますが、実は閉園ではなくキートスの小規模保育園がキートスの姉妹保育園の分園として合体しました。
そのため、分園として園舎もそのまま使用していますし、働いている職員も変わらずそのままです。
皆さんもご存知の通り、日本は少子化が加速しており、残念ながらここから一気に少子化が解消されることはないと多くの方が感じていることでしょう。
子育て環境や教育環境の変化、働く保護者の企業環境の変化等により、少しずつ少子化が解消される可能性はあるかもしれませんが、ここ数年のうちに急速に解消を期待するのはなかなか難しいのではないかと私自身感じています。
0歳〜2歳児の待機児童が急激に増えたことにより生まれた「小規模保育事業(園)」ですが、今や小規模保育園が生き残るためには何ができるのかを各法人が頭を悩ます時期に突入しています。
その理由は、待機児童問題により全国的に保育園の数が増加した反面、少子化により就学前まで通うことのできる保育園に空きが生まれ、待機児童の大半を占めていた0歳〜2歳児が入園できるようになったためです。
小学校に就学するまで通い続けること のできる保育園に入園させたいという保護者の気持ちはよく理解できます。
実はキートスも2023年3月に小規模保育園を2園閉じた経験があります。
この時は働く職員は姉妹園に異動し、そのまま勤務を継続することができましたが、園自体は閉じることになり、園舎からは離れることになりました。
なんとも言えない寂しさと経営者として大きな責任を感じた経験があります。
だからこそ、今ある小規模保育園をどうしたら残していけるかを模索してたどりついたのが分園化だったのです。小規模保育園を保育園の分園とするのは、運営自治体において前例がなく、何度も自治体の担当者の方に、今通ってくださっている園児・保護者、働く保育者を守るためだということを、繰り返し説明をして協議を重ね、ついにこの4月に分園化が実現しました。
この4月に分園化が実現した園の運営自治体である成田市は、2029年に成田空港の滑走路の新設を予定しており、人口増が見込まれています。
そのため自治体からは「分園化に伴って保育園の定員を増やしてほしい」という要望がありました。
幸いなことに小規模保育園として使用していた園舎は面積に余裕があった関係で、分園化により定員を20名増やすことができました。
認可保育園として、自身の法人の課題を解決するだけでなく、自治体の要望にも応えることができたことに内心ほっとしました。
少子化により定員割れとなっている保育園はキートスの近隣でも年々増えつつあり、閉園する保育園も見受けられます。
これからの時代、各法人・各保育園が生き残っていくため の策を迫られています。
これまでに前例のある策だけではこの難局を乗り超えることは難しいでしょう。
今通ってくださっている園児・保護者、そして働いてくれている職員を守るために何ができるのかを模索し続ける覚悟が保育園経営者に求められる時代となってきたと実感しています。
「こども・保護者・職員のため」という判断軸を決してぶらさず、独自の生き残りの道を考えていきたいと思います。
保育の面では分園のこども達が本園の園庭で一緒に遊んだり、近くの公園で分園の園児と本園の園児が合流して異年齢保育を実施したりと、保育者同士の協力体制も模索しながら色々と試しています。
これから先どんなアイディアが生まれるのか密かに楽しみにしています。
【プロフィール】
日本一バズる保育園を創った園長 日向 美奈子
“三刀流!保育園経営✕保育士✕現役大学院生“
【職歴】
2010年 株式会社ハイフライヤーズ設立
千葉市認可保育園7園/成田市認可保育園3園
役職:株式会社ハイフライヤーズ取締役社長 兼 保育運営本部 キートス統括園長
【学歴】
1997年 聖徳大学短期大学部保育科卒業
2020年 聖徳大学児童学部児童学科 児童心理コース編入 2022年 卒業
2022年 聖徳大学大学院 児童学研究科 児童学専攻 博士前期課程 入学
【所属】
一般社団法人日本保育連盟(理事/千葉支部長)
日本こども虐待防止学会
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