こんにちは。統括園⻑の⽇向美奈⼦（ひゅうがみなこ）です。

気がつけば 12⽉を迎え、2025年も終わりを告げようとしていることに少々焦っている今⽇この頃です。

保育関係者およびこどもに関わるお仕事をされている⽅はご存知かと思いますが、先⽉11⽉は「児童虐待防⽌推進⽉間」でした。
毎年11⽉には、私の所属している⽇本子ども虐待防⽌学会の学術集会が実施されます。
2025年は11⽉15⽇・16⽇の2⽇間、北海道札幌で開催されました。

私が本学会と出会ったのは、2017年幕張メッセで開催された「⽇本子ども虐待防⽌学会第23回学術集会ちば⼤会」にて、千葉県の保育養成校の⽅から、ボランティア参加の依頼を受けたことがきっかけでした。
その後当学会に所属し、毎年開催される学術集会に⾜を運んでいます。

今年の「第31回学術集会ほっかいどう⼤会」のテーマは【こどものしあわせ、みんなのしあわせ〜考えよう こどもの権利】です。
2⽇間の開催中、実に多くのプログラムが同時進⾏されるため、全てのプログラムに参加できないのが毎年残念ではありますが、学術集会というのはこういうものなのだと少しずつ慣れてきました。
多くのプログラムの中で、⾃分が気になる、関⼼のあるテーマ・内容のものを事前に選択するのも、良い時間なのだと感じるようになってきました。

「こどもの権利」「児童虐待の現状」「ヤングケアラー」等の内容の講演を通して、国の⽅向性について学ぶ機会となりました。
その中で「こどもは親の所有物ではない」ということを念頭に、こどもを捉えることの重要性を再認識しました。
私たち保育園事業者、保育⼠が「虐待防⽌」のためにやるべきことは「親⼦の孤⽴」を減らすことです。

就労を理由に保育園にこどもを預けている親⼦だけでなく、就労していない親⼦が保育園と接点をもつことのできる「こども誰でも通園制度」は、まさに親⼦を孤⽴させないために重要な役割を担っていると思います。

私たちの保育園キートスでは、千葉市で運営している保育園7園は2024年から、成⽥市で運営している保育園3園では2025年から、「こども誰でも通園制度の試⾏的事業」に参画しています。
この制度では、千葉市の3割、成⽥市の4割を私たちキートスが担っています。

これまで、保育園や保育⼠と接点をもつことのなかった親⼦が、保育園を利⽤し、保育⼠と関わる機会が⽣まれることで、少しでも孤⽴する親⼦を減らすことができれば、必然的に「児童虐待」のリスクも減らすことができると考えています。しかし、毎年学術集会に参加して感じるのは、当学会の講演者の多くが、医療関係者や法律に携わる⽅、⾏政の⽅や児童相談所の⽅々であることです。

保育園事業者や保育⼠の⽅による講演プログラムはなかなかありません。
虐待を受けるこども、⼦育てに悩む養育者と直に関わることのある保育園事業者、保育⼠の⽅が、現場での実態や取り組みなどをこのような学術集会にて講演できるようになると、より実態に即した「虐待防⽌」につながるのではないかと感じています。
そのためにも、私⾃⾝、⼤学院で学ぶ⾝として、1⽇も早く論⽂を発表できる⼒をつけることの重要性を、学術集会に参加する度に感じています。
同時に、認定保育⼠履修証明プログラムの受講も、本学会で発表するために必要な学びだと実感しています。

⽇本子ども虐待防⽌学会の学術集会で、保育園事業者、保育⼠の⽅が発表、講演することが⾃然になる⽇々を⽬指して、もっともっと頑張らねばと思います。
数年前に、保育⼠の気付きにより虐待を発⾒し、保育園から児童相談所に保護されるこどもを⾒送りながら、「これで良かったんですよね。こどもの命を守るためになりますよね」と、若⼿の保育⼠が発した⾔葉が私の⼼には常に残っています。
この⾔葉を発した保育⼠の気持ちを原点に、保育現場の実態を発信する⼒をつける必要性を改めて感じる2⽇間となりました。

【プロフィール】

日本一バズる保育園を創った園長 日向 美奈子
“三刀流！保育園経営✕保育士✕現役大学院生“

【職歴】
2010年 株式会社ハイフライヤーズ設立
千葉市認可保育園7園/成田市認可保育園3園
役職：株式会社ハイフライヤーズ取締役社長　兼　保育運営本部　キートス統括園長

【学歴】
1997年 聖徳大学短期大学部保育科卒業
2020年 聖徳大学児童学部児童学科 児童心理コース編入 2022年 卒業
2022年 聖徳大学大学院  児童学研究科 児童学専攻 博士前期課程 入学

【所属】
一般社団法人日本保育連盟（理事／千葉支部長）
日本こども虐待防止学会

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