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「保育の質の向上」とはいったい何を指すのか

こんにちは。統括園長の日向美奈子(ひゅうがみなこ)です。

今回は、保育業界でよく耳にする「保育の質の向上」について、私なりの考えや想いをお話ししたいと思います。

保育の質とは何なのか?言語化しにくいぼやっとしたイメージを少しでも言葉にし、届けられたらと思っております。 

◾️「保育の量の拡充」から「保育の質の向上」へ
少し前までは、待機児童解消のために保育園新設が急務であると⾔われていました。
全国的に保育園の数が増え、待機児童の割合も少なくなってきましたが、本質的な少⼦化問題に歯止めが効かない現状です。
さらに、人材不足や少子化の加速により保育園新設はおろか、閉園する保育園も⾒受けられるようになりました。
キートスも2023年3⽉に⼩規模保育園2園を閉園しています。該当園に在籍していた園児は同じキートスの姉妹園に転園したり、所属職員は姉妹園にて継続して勤務していますが、時代の影響を身をもって体感しています。

「量の拡充」から「質の向上」に進むいま、具体的に誰が何をどうしたらいいのかを明確に思い描きながら保育にあたることの出来る保育者は少ないと思います。
もちろん私もそのひとりです。模索しながら一緒に考えていきたいと思っております。


私がなぜ「質の向上」について言語化できないのか考えた時に、「これまでも保育の質は⼤事にしてきているよね」という想いが根底にあるからだと気づきました。
長年保育士として働く中で、いや、保育というものを知った時から、「保育の質」を大切にすることは当たり前に考え、意識することはありませんでした。
具体的な言語化についてはいまだ出来ておりませんが、弊社が試行錯誤してたどりついた「保育の質の向上」につながる施策があります。

◾️自分を知り気付ける「インサイトセッション」


どんな風に子どもに接しているか?
どんな声で話しているか?
動き方や姿勢はどうか?

ほとんどの保育者は、⾃分が保育している姿を見たことがないと思います。私自身もこれまで見たことがありませんでした。

そこで、今年度よりキートスでは「インサイトセッション」を導入いたしました。
全11園の保育園のトイレと事務所と更⾐室、休憩室以外の全室に死⾓なく設置している「⾒守りカメラ」の映像を⾒て、「⾃分が保育している姿を⾒て気づきを得ること」を狙っています。


初めて私⾃⾝が保育をしている姿を映像で⾒た時は、「私って騒がしいな」という印象でした。元気いっぱいでパワフルといえば聞こえが良いですが、この⼦どもたちの状況に「この声の⼤きさはいらないよな」と気付いたのを明確に覚えています。
それと同時に、「統括園⻑という立場の私に指摘できる職員はいないだろうな」とも思いました。

インサイトセッションを導入してみると、
「私はこどもに沢⼭声掛けしていると思っていたけど、こんなに少なかったんだ
「みんなな水遊び後の着替えにかかりっきりで、着替え終わったこどもを安全に保育できてないね」
など、それぞれの職員の素直な気づきが生まれ、これは「保育の質の向上」に確実につながると実感しました。

トップダウンではなく保育者一人ひとりの「保育の質の向上」から保育園全体、そして保育業界全体に繋げていけると思っています。

これからも試行錯誤を繰り返しながら、保育の質を見つめ、感じた思いや考え方を届けていきたいと思います。

【プロフィール】

日本一バズる保育園を創った園長 日向 美奈子
“三刀流!保育園経営保育士現役大学院生“

【職歴】
2010年 株式会社ハイフライヤーズ設立
千葉市認可保育園7園/成田市認可保育園4園
役職:保育運営本部本部長 キートス統括園長

【学歴】
1997年 聖徳大学短期大学部保育科卒業
2020年 聖徳大学児童学部児童学科 児童心理コース編入 2022年 卒業
2022年 聖徳大学大学院  児童学研究科 児童学専攻 博士前期課程 入学

【所属】
一般社団法人日本保育連盟(理事)
日本こども虐待防止学会

保育業界に関する事なら取材、撮影何でもお任せください。
現場に立つからこそ伝えられる情報をお答えします。

 

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