こんにちは。統括園⻑の⽇向美奈⼦(ひゅうがみなこ)です。
⽇に⽇に暑さが厳しくなり、今年も「熱中症の危険」を感じる時期となってきました。
年々「熱中症」の⾔葉を⽿にする時期が早まっているのを感じています。
先⽇、ある気象予報⼠の⽅が、2070年位には東京の最⾼気温が「43 度」になる予想があるとお話されていました。
「43 度」といったらもはや⼈間の体温に置き換えたら⽣命の危機です。
ここのところ、「◯◯で最⾼気温 38 度を記録した」と聞けば、“⼈間の体温に置き換えたら発熱状態だ“と、即体温にあてはめてしまいがちな⾃分からすると、43度は危機的状況であることは間違いなく、健康な⼈であっても外に出ることはできないことを意味しています。
ここ数年ずっと、いずれ子ども達が⼾外で遊ぶことができなくなる時代がやってくるのではないかと考えています。
保育者の誰もが⼦どもにとって⼾外で体を動かして遊ぶことの必要性を感じていますが、時代とともにその考えも180度転換させなければいけない時代が意外とすぐそこにやってきているのかもしれません。
私達キートスは毎年梅⾬時になると、保護者の⽅に「キートスの⼾外遊びに対する考え⽅」と題してお知らせをしています。
どのような内容かといいますと…。
↓
キートスでは、⼦どもたちおよび職員の命と安全を最優先に考え、「暑さ指数(WBGT)」に基づいて⼾外遊びの可否を判断しています。
例年、⼀部の保護者の⽅から
「なぜ晴れているのに外で遊ばないのか?」
「晴れている⽇はもっと外遊びをさせてほしい」
といったお声をいただくことがあります。
梅⾬時には、⾬が続く中で⼀時的に晴れ間が⾒えると、
「やっと⾬が⽌んだのだから、外で遊ばせてあげてほしい」
というご意⾒をいただくこともあります。
「やっと⾬が⽌んだのだから外で遊ばせてほしい」という保護者の⽅のお気持ちはよくわかります。
しかしキートスでは、⼦どもたちの発達や保育の連続性を⼤切にした保育を⾏っています。
そのため、「晴れたから急に外遊びに切り替える」といった対応は、保育の連続性の観点だけでなく、計画していない急な変更によってリスクを⾼めてしまう可能性もあります。
以上の理由から、⼦どもおよび職員の安全を優先するために、暑さ指数および保育の計画を判断基準として⼾外遊びを実施していることをご理解ください。
というような内容です。
このお知らせを継続してするようになってから、保護者の⽅の「キートスの⼾外遊びに対する考え⽅」への理解が年々深まっているのを感じています。
⾃⾝の体調を⾔葉で伝えるのが難しい乳幼児、⾃⾝の体調に合わせて適宜休息をとり、こまめに⾃ら⽔分をとるのが難しい乳幼児の命をどうやったら守れるのか。
「保育のいま」の第2回⽬でお伝えした「⾒守りバンド」も熱中症から子どもを守るために⼀役担えないか、子どもの⼼拍や⾎圧及びストレス値のデータを取得し続けています。
▶︎ 第2回:保育のいま
そして、思い切り体を動かして遊べる環境を保育園としていかに⽤意できるか、実はここ数年「室内園庭の設置」について本気で考えています。
「⼾外で⾝体を動かすこと」が、いまや⼦どもを危険にさらしてしまうのであれば、「室内で⾝体を動かす」ことに保育も転換していく必要があります。
かといって⼀気にすべての保育園に室内園庭を設置できるかというと⾮常に厳しい。。。
このあたり、ぜひ国としても、地球温暖化の弊害を受けている「子どもの命を守る」という観点から、保育現場と⼀緒に新たな施策を考えていただきたいと思う今⽇このごろです。
【プロフィール】
日本一バズる保育園を創った園長 日向 美奈子
“三刀流!保育園経営✕保育士✕現役大学院生“
【職歴】
2010年 株式会社ハイフライヤーズ設立
千葉市認可保育園7園/成田市認可保育園3園
役職:株式会社ハイフライヤーズ取締役社長 兼 保育運営本部 キートス統括園長
【学歴】
1997年 聖徳大学短期大学部保育科卒業
2020年 聖徳大学児童学部児童学科 児童心理コース編入 2022年 卒業
2022年 聖徳大学大学院 児童学研究科 児童学専攻 博士前期課程 入学
【所属】
一般社団法人日本保育連盟(理事/千葉支部長)
日本こども虐待防止学会
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